消費税を増税する。しない。今各党の意見が別れているけど、実際どうなの?
借金ってこのままでも返せるの?そんな疑問にお答えします!
〇今の借金の総額
2016年12月末の借金の総計は、1066兆4234億円になると公表されました。これを日本の収入であるGDPと比較すると、なんと2016年で230%を超えています。独国が75%、米国が110%なのと比較すると、日本の財政状況がなんとなく厳しそう、、ってことは感じると思います。ただ更に驚くことに、この230%という数字は第二次世界大戦直前の日本とほぼ同じ状況にあるのです!
図1 政府債務残高の規模(RIETI 政府債務残高名目GDP比は過去120年最悪の水準より)
〇消費税を10%にしたら大丈夫なの?
消費税率1%分の税収は、年間約2.5兆円から約2.7兆円と言われています。そのため、今回は10%への増税に伴う5兆円のお金をどう使うのかについて、民意が問われています。当初は借金の返済に4兆円を充てる予定だったけど、もっと「人」に投資してもいい?それとも、景気がもっと良くなるまで痛みを延期する? そう今回の選挙では問いかけられているのです。
ただ、高齢化が進み医療費や介護費も年々増えていくので、社会保障費は毎年自然に6000億円ほど増えていいきます。しかも2025年には団塊の世代が75歳を超え、医療介護費は急増します。その結果、厚生労働省の予測によると、2012年度には医療介護費合わせて43.5兆円であったのが、2025年度には73.8兆円まで増えるといわれています。
図2 日本の財政関係資料(財務省HPより)
したがって、医療介護の国庫負担分(25%)は10.9兆円から18.5兆円まで増大します。そのため、消費税を今回2%上げても、それ以上に社会保障費は膨らんでいくのです。。。
〇財政赤字の拡大を食い止めるには
それでは、消費税率をどれほど上げれば財政赤字の拡大を止められるのでしょう。これについて、アトランタ連邦準備銀行上級政策顧問のアントン・ブラウン氏と南カリフォルニア大学のダグラス・ジョインズ氏が試算を行っている。
それによると、国債の対GDP比を230%からEU基準の60%まで戻すには、消費税を2017年に【約33%】に引き上げる必要があるという。
したがって、財政問題を解決していくためには社会保障制度の抜本的な改革とともに、消費税の増税についても議論が必要になっていくのである。
※シミュレーションの前提
・出生率は変化なし、生産性の成長率は2%、インフレ率は1%
・社会保障制度は現状のものを採用
〇まとめ
税金は私たちの生活に直結します。固定費が上昇しますし、これから車や家などの高級品の購入を考えていく世代にとっては、大幅に額が違ってきます。
しかしながら、何かを実現するにはお金が必要なことも事実です。
そのため政治家が何を減らし、どんなことを行おうとしているのか。無駄な歳出の削減へ努力しているのか。無償化を実現するための財源はどうするのか。少子高齢化によってますます財政が厳しくなるなかで、真に日本のためになるのはなんなのか。こうしたことを考える必要があると思います。