子どもの教育費がどの程度かかるのかというのは、皆さん気になるところですよね。今回は、文部科学省が実施している「平成26年度 子供の学習費調査」結果を参考に考えていきます。まずは、どのくらい学習費がかかるのかを、ケース別に分けた結果を図1に示します(塾や学校外での習い事含めた平均値であることには注意ください)全て公立で通った場合523万円であるのに対して、全て私立の場合は、1,770万円と大きな開きがあります。まぁ、ケース6はお金がある人でなければ選択しないと思いますが、ケース1~ケース5は一般家庭でも十分あり得る話です。もちろん、子どものやりたい事を極力やらせてあげる前提で考えています。とはいえ、そんなわけにもいかないことがあると思います。全て公立で習い事や塾もやらない場合は、3分の2程度の値段になると思います。

図1.幼稚園3歳から高等学校3学年までの15年間の総学習費(学校外活動含む)

 

イメージ通り、私立の方が全てにおいてお金がかかっています。全てというのは、塾など学校外費用も私立の方が高いのです。私立に活かせるだけの余裕があるので、塾にも行かせることができるということだと思われます。私立に行けば、塾には入れなくても大丈夫だということはこの結果からはなさそうです。

では、日本人の子どもはどのくらいの人数が、私立に行くのでしょうか?平成26年度学校基本調査報告書によると、幼稚園は園児の83.7%が、小学校は児童の1.2%が、中学校は生徒の7.0%が、高等学校は生徒の32.0%が私立に通っているようです。そのため、幼稚園と高等学校は私立の可能性があることを念頭に、ケース4の784万円が現実的には用意しなくてはいけない金額になるかと思います。

ここで重要なことは、これはあくまで平均の話です。例えば学校外活動費は、住む場所でこんなに変わります(図2

図2.人口規模別にみた学校種別学校外活動費(公立)

それから、通学、地域の子ども会など個別ケースを考えればきりがないです。大学に入れば、学費は年間67万円、私立の場合132万円程度かかりますし、一人暮らしするとなれば、仕送りは4年間で600万程度ともいわれています。大学に行くとなれば、1千万円程度必要になるということです。もちろん、奨学金などがありますし、アルバイトもできますので、ここまで親が面倒をみる必要があるかは家庭の考え方次第ではあると思います。

とにもかくにも、子どもの教育にはお金がかかるのです。子どもが欲しくても教育費がネックになるため、どうにもできないと考える人が増えているのもうなずけますね。皆さん、政治で教育問題が出た場合、どこが一番気になるところでしょうか?幼児教育の無償化になればどのくらい楽になるのか、高校の無償化でどのくらい楽になるのか?それとも、大学の奨学金制度でしょうか?

また、中学や高校時代に子どもの教育に力を入れて公立の大学に行かせれば、トータル費用は安くなるかも・・・。下手に中学で学習費を削ると高校・大学で大幅に授業料が高くなる羽目になるかも・・・。色々なことを想定して、現実と向き合う必要があると思います。早い段階から知っていれば、何かしらの対応は考えられると思いますので、その一助になれば。

カテゴリー: 教育

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